太平容器株式会社

ドラム缶とCO2

ドラム缶とCO2

私たちの生活が豊かになるにつれ、特定の企業だけでなく個々の企業や個人個人が環境に対する配慮が必要になりました。地球温暖化の原因と云われているCO2の発生量は年々増加傾向にあります。昨今では、省エネやECOなどのわかりやすい標語が生まれ、企業も個人も環境問題に取り組み易い環境になりました。産業容器の一つであるドラム缶も再生(リユース)という方法を用いCO2の大幅な削減効果を期待することが出来ます。

では、どれくらいの削減効果があるのでしょう。弊社が所属します日本ドラム缶更生工業会が2009年に会員企業及び新缶製造メーカーの協力を得て東京海上日動リスクコンサルティング(株)に委託し実施した「ドラム缶のLCA(=ライフサイクルアセスメント)」の数値を元にご説明したいと思います。また、CO2の発生量は納品輸送、製造、原材料調達の3点を含めた数値から算出してますのでご了承下さい。

新缶と再生缶を比べて

新缶製造サイクルにおいて発生するCO2の排出量

調査結果により、新缶製造サイクルにおいて発生するCO2の排出量は原材料調達(鋼板加工を含む)時に高い割合で発生することがわかりました。また、製造時は再生よりも低い数値がでました。(原材料34.9、製造3.30)
また、再生缶製造サイクルにおいて発生するCO2の発生量は原材料調達にほとんどCO2が発生しないので全体的に低い数値がでています。(原材料1.42、製造4.81)トータルで比較すると再生缶は新缶と比べ1/6のCO2の排出量で製造することが可能だということがわかりました。

再生回数

再生回数(≒板の厚み)の増加によるCO2発生量の削減効果調査の結論から申しますと、厚い鋼板で製造されたドラム缶を再生して繰り返し使用することにより、多くのCO2の発生量を抑えることが可能だ、ということがわかりました。
ドラム缶のM級(ミドル級)、LM級(ライトミドル級)、L級(ライト級)と呼ばれる3種類の規格を比較し、よりCO2の削減効果が得られるドラム缶を見てみましょう。

M級ドラムの天胴地板の鋼板は全て1.2mmの板の厚みがあり平均として4回の再生が可能です(過去の試算に基づいた数値)。これは新缶として1回、再生して4回使用可能ということになり合計5回使用することができます。同様にして、LM級は天地1.2mm/胴体1.0mmで合計3回、L級は天胴地板1.0mmで合計2.3回の使用が可能です。

CO2の発生量

これを元に10回使用した場合のCO2の発生量を算出すると図のような数値となります。再生の回数が減少することにより、効率が悪化しCO2の発生量も増加しました。

板厚と鋼材使用量

さらにドラム缶の板の厚みは鋼材使用量の節約にも繋がります。こちらも結論から申しますと、板厚の厚い方が鋼材使用量の流通が少なくすむことがわかりました。また、先ほどの平均利用回数を用いてご説明したいと思います。

平均再生回数よりM級とL級のドラム缶を1000回使用するにあたり何本のドラム缶が必要になるのかを算出します。
M級ドラム:1000回÷5回=200本
L級ドラム:1000回÷2.3回=435本

次にJIS規格に則った重量から何kgの鋼材使用量が必要になるのかを算出します。
M級ドラム:200本×20.5kg=4,260kg
L級ドラム:435本×17.0kg=7,740kg

M級ドラムを繰り返し再生することが鋼材使用量の削減に繋がることがお解り頂けたでしょうか。鋼材使用量を削減することが、ひいてはCO2の発生を抑えることに繋がりますので、M級ドラムのリユースの中にドラム缶の「エコロジー」を見いだして頂ければ幸いです。

※上記の数値は2009年に日本ドラム缶更生工業会が調査した「ドラム缶のLCA」からの引用です。

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